第二章で方言遊びのお話をしましたが、私は聾学校の教師として、聴覚障害のある赤ちゃんに初語の発話ができるよう、お手伝いしていましたから、娘がもっと小さい頃は「標準語で話してほしい」と思っていました。
私は自分のことを「おかあさん!」と娘に呼ばせていたのに、夫は自分のことを「おとうちゃん!」と呼ばせる。
その他にも保育園でたくさんのことばを覚えてきて、私一人が頑張っても仕方がない、と限界を感じ、止めました。
北川景子、戸田恵梨香、藤原紀香、みんな神戸弁で話せるんだって。いいんじゃない?神戸弁。
娘は高校を卒業して福井の専門学校に進学しました。そこで、「吉本から来たみたい」と言われたそうです。大阪弁が関西を代表して全国的に有名になっているからでしょう。
専門学校を卒業した後、岡山で就職し、今は笠岡市(広島に近い)で暮らしています。
そしてこの度、小学校PTA会長になったらしいのです。
「わたしゃ、会長じゃけー忙しゅうしちょるよ。」
どこが標準語?神戸弁?人のことばは使うことによって、どんどん変化していくのですね。
(次回6月25日(金) 最終章 届け!言霊)