2021年9月16日木曜日

においの記憶 第三章:「ニオイ」や「におい」の元

 


世の中に人工的に作られる匂いが、至る所にあります。

滋賀県立琵琶湖博物館には、自然の匂いを、忠実に人工的に再現した展示があります。この匂いが自然の匂いなのか、人工の匂いなのか分からなくなるほどです。

秋になると金木犀の匂いを感じることができます。しかし、子どもによっては、「トイレの匂いがするね」という時があります。入浴剤も多様な匂いのものがあります。

子どもに匂いの体験をしてもらいたくても、人工の匂いが先になり、本来の自然物との匂いと逆転してしまっています。さらに、たき火をしている時、子どもが煙に巻かれて、「煙たい」というかと思ったら、「煙が臭い」と言います。こういう風に匂いにまつわる言葉も変わってきています。

匂いを言葉にすることは難しいですが、こういった感覚が無いと、物を食べた時の言葉も変わってくる気がします。日本の食生活は、発酵食品が欠かせません。

味噌、酒、醤油、鰹節、くさや等、「芳醇」という言葉で言い表すように豊かな匂いが味を引き立たせます。家族や親族で集まった時、楽しくおしゃべりする中、飲み食いすることで、味わうだけでなくプラスの感情を伴った匂いの記憶も残っていくと思います。

 

来週は、最終章『におい』のこれから

2021年9月9日木曜日

においの記憶 第二章:「におい」の感覚

 



人間の五感には、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚があります。

この中の視覚や聴覚は、人間の短期記憶(忘れてしまいやすい記憶)であり、触覚、嗅覚、味覚は人間の長期記憶(長期間覚えていられる記憶)に分けられます。

1回だけだと、見聞きしたことは忘れてしまいます。幻覚や幻聴という言葉があるように、視覚、聴覚で捉えた情報は、人間の脳にとって正しく認識されないことがあるばかりか、忘れやすいのです。

 

しかし、触覚、嗅覚、味覚は覚えていることが多々あると思います。

例えば、ご実家に帰った時、実家のお気に入りのクッションの感触、また自分の家とは違う実家に漂う独特の匂いや実家のお味噌汁の味です。

これらの記憶は実家にいない時にも身体感覚として残っていて、思い出すことができます。

この感覚があるので、故郷に帰って来たとか、その時の思い出が同時に沸き上がってくるのだと思います。

この感覚は我々が赤ん坊の頃から備わっています。自分の母親の母乳を飲んだことのある新生児は、自分の母乳と他人の母乳を嗅ぎ分けて、自分の母親の方へ顔を向けて吸おうとする実験があるほどです。

さらに、成長するにつれて、その特定の匂いに対してプラスの感情が付くことや、マイナスの感情が付き長期記憶の中に留まるのです。

来週は。第三章『ニオイ』や『におい』の元 です


2021年9月2日木曜日

においの記憶 第一章:「におい」にまつわる過去の記憶

 

今週から『かめじい』こと亀山が担当させていただきます。よろしくお願いします。

 

皆さんは、「におい」にまつわるエピソードは、お持ちでしょうか?形には残りませんが、色々なエピソードがあると思います。

 

私のエピソードになりますが、大学生時代、卒業論文を書くために、よく幼稚園で子ども達の活動に参加していました。その時の子ども達に呼ばれていた名前は「かめさん」です。幼児と自然(特に虫)との関わりについて卒業論文に書くために、屋外で一緒に遊びながら、子どもの様子を記録していました。

 

ある時です、ふいに前から女児に「かめさ~ん」と抱き着いて来ました。お腹に頭、腕で腰回りを締め付けられたことで、お恥ずかしい話、音の無い「転失気」(古典落語の言葉ですので検索してみてください)をしてしまいました。もちろん匂い付きでした。この女児だけでなく、後2人の女児が近くにおり、匂いの圏内でした。これは、まずい!女児らにばれたら「もう、こっちこんといて!」、「嫌いや!」となり、もうこの園のクラスから締め出される!という思いになり、いてもたってもいられませんでした。

 

ところがどうでしょう?「ん?何か匂わへん?」、「かめさんから匂うんかな?」、「かめさんやから、亀の匂いやなぁ~」と言い、皆納得してケラケラ笑い始め、何もなかったかのように遊び始めました。言い出した女児の温情の言葉なのか、本当に思ったかは定かではありませんが、少なくとも私から発する匂いがプラスの感情で受け入れられたことは事実のようです。

 

来週は・・・第二章『におい』の感覚 です


2021年8月26日木曜日

クロックスで小学校へ行っちゃった件 最終章:な・・・なんでいるの?

 


キャンプ当日を迎えました。

バスで1時間半かけて港まで行き、チャーター船で無人島まで。

昼食のお弁当を食べた後、島内探検や海あそび。

そして15時ごろ・・・

私「こどもたちーーーー 集合――――」

集まってきた子どもたちに・・・

私「よーし 今から火おこしの方法を見せるね。自分たちで火をつけないといけないから、よく説明を聞いてよ」

子どもたちは真剣に見ています。

私「まずは… この横の棒を上下にゆっくり… 少しずつ速くしていくよ~」

少しすると煙が・・・ それと共に子どもたちの歓声も!

私「まだだよ(ハアハア)、止めずに続けると(ハアハア)、真っ黒の火の赤ちゃんができるから(ハアハア)、そこまでがんばってよ(ハアハア)」

暑さの中、説明と平行して実演。これがなかなかハードなのです。

 

続けていると・・・

子どもたちの背中側にある森に、何だか気配が・・・

 

ん??え??うそ??

 

なんと説明会のお母さんが、森影から覗いているじゃありませんか?

チャーター船でしか来れないはずの島に、

なぜかいる!!!!

こ・・・ こわい・・・ まさか泳ぎ?・・・

 

後で話を聞いてみると、食事のことが心配で心配で、おにぎりを持参されていました。

そして・・・ 

母「榎本さん やっぱり無理なので、このまま子どもと帰ります」

と言って島を去っていきました。海上タクシーというもので・・・

 

子どもの成長を支えるって、どういうことなのでしょうか?

これは『やさしさ』って言えるのでしょうか?

我が子のことが大好きなのは理解できるのですが、その方法が正しかったのでしょうかね?

うーん。僕は違うと思う。


 

 

2021年8月19日木曜日

クロックスで小学校へ行っちゃった件 第三章:な・・・なんでいるの?その1

 


20年ぐらい前になるでしょうか?

火おこし体験や竪穴式風住居で生活ができる施設で、古代体験キャンプを企画しました。

その島では…生活している人はおらず、施設スタッフが常駐している・・・ 言ってみれば無人島です。

島に行くにはチャーター船のみ。要するに施設を使う人のみが、船をチャーターできるしくみになっています。

募集したところ、40名の子どもが参加することになり、キャンプ実施の約10日前に保護者説明会をしました。

日程・持ち物・プログラム・緊急の場合の連絡・食物アレルギーの対応などお話をし、質疑応答などあり約1時間で終わりました。

終わった瞬間、あるお母さんが私の元へ。しかも『不安オーラ全開』で。

 

母「すみません。1年と4年の娘を参加させます。ご相談が・・・」っと、すんごいちっちゃい声で。

私「はい、どうぞ」

母「うちの子たち、食べ物の好き嫌いが多くて・・・さきほど説明にあった『古代米』?食べられるか心配なのです」

 

実は古代体験ということで、この施設で出るお米は赤茶色のお米なのです。

 

私「施設のルールで、原則持ち込み禁止になっていまして、そのお米でお願いしたいのです」

母「ですよね~ はあ~ 食べれないかも・・・ はあ~ どうしましょ はあ~」

 

私は提案しました!

私「お母さん!かわいそうかもしれませんが、もし初めの食事で古代米が食べられなければ、食べさせず我慢させましょ。食べられたらラッキーぐらいで。で・・・ もし2日目の朝も食べられないとなると、さすがに健康上問題があるので・・・ 私のほうで白いお米を持参し、おにぎりでも作ってお子さんに渡します。少しチャレンジさせてみませんか?」

 

と言うと、お母さんは『ハッ』とした顔をして・・・

 

母「そうですよね!ここはチャレンジさせてみます!!そして私自身にとっても子離れしていくチャレンジをします」

元気よくおっしゃって、二人で握手をかわしました。

っと、ここまでは良かったのですが・・・

この後は次週に・・・

(最終章は『な・・・ なんでいるの?その2』)

2021年8月12日木曜日

クロックスで小学校へ行っちゃった件 第二章:クロックスで小学校へ

 


今では女子高生になった我が家の次女。そんな彼女が小学校1年生の時・・・

たしか入学して一週間たつかたたないか…の頃だったと覚えています。

登校するには登校班があり、近くの公園で7時50分を目途に家を出発します。公園からは徒歩で学校まで。

 

8時過ぎのこと。

妻「パパ!あの子の靴が残ってる!」

私「え!!は・・・ 裸足で?」

妻「なんでよ!クロックスやわ!あの子にゴミ出し頼んでん!」

私「ウンウン・・」

妻「その時クロックスで行って、帰ってきてから玄関に置いてある『かばん』を背負って、そのまま行ってもたんや」

 

まあ、あるっちゃぁ…ある話ですよね。

ここからです。

 

妻「パパ!学校まで、靴持って行ったって」

私「なんで?」

妻「だって体育あるもん。先生に怒られるやん」

私「・・・」

妻「早く!行ったって」(少し怒り気味で)

私「ええやん!先生に怒られたら!それも経験やで」

妻「かわいそうやんか(怒)あの子だけ体育でけへんで~!」

私「ええやん!でけへんかったら、これから忘れんように靴履いていくやろ」

この押し問答が続き・・・ 夫婦喧嘩のようになり・・・

結局、持って行かなかったのですが。

皆さんなら、どうします?

ちなみに・・・ 我が家から学校までは30メートルほどの距離。目の前に見えています()

(第三章は、『な・・・ なんでいるの?その1』)


2021年8月7日土曜日

クロックスで小学校へ行っちゃった件 第一章:お金…足りませんけど



4月に始めた園長先生ブログ。2周目がまわってきた『えのじい』です。少しアップするのが遅れていますが…

まあじっくり進めていきたいと思います。

さて…

私が勤務する『ゆめのもり保育園』の4歳児Aちゃん。最近お気に入りのあそびが『お手紙渡し』。

お家でお手紙を書いて、次の日にお友だちへ渡しています。とっても嬉しそうに「今日も書いてきたよ」と伝えてくれます。

先日・・・ Aちゃんがお友だちに渡したお手紙の中に・・・

10円玉が入っていました。

担任の先生が・・・「Aちゃん。お金はお友だちに渡さないようにしようね」とお話しました。

 

2日後にAちゃんは、またまたお家からお手紙を持ってきました。

お友だちに渡した、そのお手紙の中に・・・

またまた10円玉が入っていました()

先生が・・・「Aちゃん。お金は持ってこないようにしようね」と再度お話をしました。

 

Aちゃんは、その後お手紙にお金を入れないようになりました。

 

数日後・・・ 給食費の徴収の日に・・・

Aちゃんのお父さんが「先生!Aのかばんに給食費入れてますので、確認願います!」と元気よくお仕事に行かれました。

先生が、給食費を確認すると・・・

 

50円 足りませんでしたーーーーー()

 

帰園の際、Aちゃんはお父さんに「パパ!しっかりしてよ」・・・だって()

 

なんだか子どものほうがしっかりしていて… 親のほうがおっちょこちょい()

そんなハプニングでした()

 

今の保育園という業種でも、これまでの関わってきたキャンプ・体験活動という業種でも、様々な親子関係が垣間見れます。

 

今回はこれまで出会った親子の様子を覗いてみようと思います。もちろん我が家の様子も・・・

(第二章は『クロックスで小学校へ』)