2021年5月20日木曜日

見えない所の成長 第三章:日本人の履物

 


草履や下駄が日本にはありますが、特徴的なのは「鼻緒」です。この鼻緒を足の親指と人差し指で挟むことが、乳幼児期の足の形成にとても良い刺激になっているようです。

私個人は、草履を普段履きすることで、低体温だったのが直りました。足指で鼻緒をつかむ行為で末端の毛細血管が刺激されたからだと思っています。

 

草履以外に下駄もありますが、これは2本歯と1本歯があることをご存知ですか?天狗という想像上の妖怪がいますが、下駄の歯は1本ですよね。実際に山伏や僧侶もこれを履き修行をしていました。1本歯の方がより斜面の上り下りに適していたようですが、強靭な足腰だけではなく、日本人の持つバランス能力のおかげと思います。

 

こういった、日本の履物の文化があるにも関わらず、安くて大量生産の靴を履いてしまはないといけない状態になっています。特に学校の上履きなどは選択の余地がないので、足の甲高の子どもには苦しい時もあると思います。おしゃれは必要な時もありますが、普段使いの履物や身に付けるものはやはり日本人の生活にとって相応しいものを考えていけないと思います。

(次回最終章 5月28日(金) 見えない所に目を向ける)

2021年5月13日木曜日

見えない所の成長 第二章:子どもの足はどうなっている?

 


私がこの草履に出会ったのは、兵庫教育大学の原田名誉教授との出会いからです。

 

足の歪みから体の歪み、そして心も歪むという考え方のもと、様々なことを教えてもらいました。

一番驚いたのは、今の子ども達に土踏まずが出来ていない事実でした。

我が子は2歳からこの草履を履いて活発に遊んでいたので、測定器で足裏を見てみると3歳時点で原始人のような土踏まずができていました。

一方で、靴で活発に遊べていない5歳児の足の裏を測定器で見ると、完全なベタ足でした。

私は、こういった子どもの土踏まずが出来ない足の状態から、すぐにこける、真っすぐ走ることができない、腰を立てて座ることができないことに起因していると考えています。

 

乳幼児期の足の指には程よい刺激が必要です。ファーストシューズなど履き続けていると刺激が伝わりません。ソールが柔らかすぎる靴を履いていると、足裏にも刺激がいきません。足に適度な刺激が必要なのですが、大人は良かれと思って、過剰に刺激を抑えることをしてしまっています。

これでは成長することができません。

大人の方で足が外反母趾だったり、ヒールを履いてお勤めをなさっている方、今しんどいですよね。子どもの頃から履くべき、ちょうどいい刺激の靴ってどのようなものなのでしょうね。

(次回5月21日(金) 第三章 日本人の履物)

2021年5月6日木曜日

見えない所の成長 第一章:足が痛い

 

今週より園長先生ブログを担当する!

かめじいこと、亀山と申します。

えのじいの罠により、ブログ執筆することになってしまいました(笑)

どうぞよろしくお願いします。


第一章:足が痛い

 

私が中高生の頃、「エアジョーダン」というバスケットシューズ(通称バッシュ)というものが流行りました。流行りの物を買って、バスケットもしないのに・・・  イキっていた頃がありました。

 

数ヵ月後、足の親指が急激に痛くなりました。整形外科に行くと「巻き爪」の診断を受け・・・

 



手術をしました。原因は靴が足に合っていなかったせいでした。

 

その経験もあり、我が子の靴に対しては厳しく見るようにしています。

 

多少高くても足に合った良いものを探します。

子どもがおしゃれで履きたいキャラクターの靴やカワイイ靴についてもケチをつけて履かせないようにしています。

 

一方で、我が家にとって一番楽な履物が草履です。足が束縛されず、サッと履けて、五本指靴下さえ履けば多少寒くても、家の周辺ぐらいなら履けます。日本人は何と素晴らしい履物を作ってくれたのだろうといつも思う程です。

(次回5月14日(金) 第二章 子どもの足はどうなっている?)

2021年4月29日木曜日

セメダインで指を引っ付けてみた件~子どもからケガを防ぐには? 最終章

 


最終章 子どもたちのために、ちょびっと危険地帯へ

何度も書きますが、ケガを完全に防ぐことはできません。

でもケガの程度を小さくしたり、回数を減らすことはできるのです。

それをするだめには『子ども』自身が多くの体験をする以外に方法はありません。

いくら大人がケガをさせないように努力しても、子ども自身の体験に勝ることはありません。

1章で書いた『アバター事件』。その後、彼女はブランコの柵を『鉄棒代わり』にすることはなくなりました。

2章の『Y君』も、花火をするときは足の上に落ちない距離を保つことでしょう。

ちなみに僕もあれ以来…セメダインには気をつけています()

 

ケガをしてほしくない、させたくない親心や保育士、教員の想いを否定している訳ではありませんよ。

でもね…子どもから『リスクを遠ざける行為』が、逆に大きなケガにつながっているのではないでしょうか?

我々大人がしなければいけないこと… それはリスクを遠ざける行為ではなく、多くの体験をさせること。

鬼ごっこをしていてお友だちと正面衝突し、おでこに『たんこぶ』ができる。

公園のススキを触っていて手のひらを切る。

爪切りをしていて深爪する。

テーブルの脚に、足の小指をぶつける。

そんな小さな体験の一つ一つが学びになり、リスクを減らし、成長へとつながる。

まずはお家を… 

ほんのちょびっと『危険』な環境にしてみませんか?

ほんのちょびっとね。

(セメダインで指を引っ付けてみた件 文:えのじい)

2021年4月22日木曜日

セメダインで指を引っ付けてみた件~子どもからケガを防ぐには? 第3章

 


3章 赤ちゃんの成長と安全地帯

赤ちゃんが生まれて数か月… 

寝返りをし始めると、保護者は・・・

「うおーー 寝返りした~!すごい!」

「パパ~!スマホ取って!!動画撮ろう!」

なんて大喜び。

また数か月経つと、ハイハイが始まり、つかまり立ちへ。その成長が目の前で起こる度に、歓喜し幸福を感じます。

カレンダーに『寝返り記念日』なんて書いたりして()

母子手帳の記録のページにも、速攻記録!(2人目以降は適当になりがちですが…)

子どもの動く範囲が拡がる嬉しさと平行して、不安を感じるケガの可能性。

それを危惧して… 

コンセントの挿し口にゴム製の安全危惧。



机の角にガードする器具を。

シンクの扉が空かないようにするストッパーを… これらを100均で探しまくる。

またまた爪切りやはさみ、耳かきなど危険なものを、どんどん高い所へ移動。

室内で放し飼いにしていた犬を、急にゲージへ掘りこんでしまったり。

犬の人権…犬権(ケンケン?)も考えてほしい。

とにかく赤ちゃんから『危険』という『危険』を取り除こうと、躍起になってしまう時期ってありますよね。御多分に洩れず、我が家も同じ行為をしていました。

でもね… これで100%リスクは防げるのでしょうか?

(次回4月30日(金)最終章 子どもたちのために、ちょびっと危険地帯へ)

2021年4月15日木曜日

セメダインで指を引っ付けてみた件~子どもからケガを防ぐには?第2章

 


2章『線香花火』が足の上にポタっと

保育中でもお家でも… 転ぶ、ぶつかる、すり傷、切り傷などなど事故やケガは起こります。

3歳児クラスの『Y君』に事件が。

登園した際にパパから・・・

「昨晩、足を火傷したんです。大丈夫だと思いますが、様子だけみてください」と。

聞いてみると、線香花火をしていたそうで… 終盤に球上になった花火がポトっと落ち… それが足の上に。

花火の危険をご存じのパパは、靴を履かせていたそうです。そこまで注意もされていたのですが、花火は無常にも、化繊の靴を貫通して足の甲を火傷したということでした。

なんとも運が悪いというか… リスクマネジメントしていても偶然が偶然をよび、起こってしまったケガですよね。

そうなのです!どれだけリスクマネジメントしていても、100%ケガを防ぐことってできないのですよね。

ケガはさせたくない、してほしくない… これは保護者も保育士や教員も、みんな同じ想いです。
100%防ぐことができないのだったら、どうすればいいのでしょう?

(次週4月23日(金)第3章 赤ちゃんの成長と安全地帯)

 

2021年4月8日木曜日

セメダインで指を引っ付けてみた件~子どもからケガを防ぐには?第1章



第1章 次女の『アバター事件』

 僕が小学校3年生の頃。出来心と言うか、衝動に駆られたと言うか。『セメダイン』で親指と人差し指を引っ付けた事がありました。母親にこっぴどく叱られ、病院送りになり大事に()

 

子どもに起こった『ケガ』で、思い出す事ってありますか?

我が家の次女が4歳の頃。彼女は鉄棒が大の得意。逆上がりなんてお手の物でした。背の低かった彼女は、公園のブランコの周りにある安全柵を鉄棒代わりにあそんでいました。前回り…ぶらさがり…逆上がり… 

その様子をなんとなく見ていると…

「ん・・・?」

良からぬ予感が… 彼女がいる場所… そこは…

 

彼女の体は、安全策の『角』の部分にあり、つばめ状態で足が浮いている。

「まさか・・・?」と思いましたが、その『まさか』が。



そのまま前回りをしました。

安全柵の柱(地面から垂直に立っている)が、顔面中央に!『柱が』というより、自ら向かっていったカタチですが()

彼女の顔面中央は大きく腫れ、内出血もあり顔全体が青っぽく。

身長100cmのアバター(当時流行した映画)の完成(笑)

ちなみに病院へ行きましたが、骨折などもなく冷却するだけの処置で終わる軽傷でした。

現在高校1年生になりましたが、これが15年の人生で一番大きなケガです。我が家では未だに『アバター事件』として、年に一度は話題になります()

(次週 4月16日(金) 第2章『線香花火が足の上にポタっと』)

明石 ゆめのもり保育園 えのじい(園長)

ゆめのもり保育園 ホームページ

 

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